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文字入力中にカーソルが文字に重なって焦ったことはありませんか?
文字を打っていたら、なぜか前の文字が消えていく…。カーソル(点滅する縦の線)が文字の上に重なって見えて、「え? パソコン壊れた?」「ウイルスに感染したの?」と不安になること、ありますよね。
でも安心してください。これは故障でもウイルスでもなく、たった1つのキーを押したことが原因なんです。
その犯人は・・・Insert(インサート)キー。
普段ほとんど使わないこのキーが、知らないうちに入力モードを切り替えてしまうことがあるんです。
この記事では、この現象がなぜ起きるのか、そして誰でもすぐできる直し方を、パソコン初心者にもわかりやすく解説します。
なぜカーソルが文字に重なるの?原因は「上書きモード」
パソコンで文字を入力するとき、実は2つの動作モードが存在します。
- 挿入モード:普通の入力モード。新しい文字を打つと右の文字が押し出される
- 上書きモード:入力した文字が既存の文字を上から消して置き換える
「Insert」キーは、この2つのモードを切り替えるスイッチのようなものです。うっかり押してしまうと上書きモードに切り替わり、カーソルの見た目が太くなったり、ブロック状になって文字に重なって見えるようになります。
つまり、「カーソルが文字に重なって見える=上書きモードがONになっているサイン」です。Word、Excel、メール作成画面、Webブラウザなど、ほとんどのソフトで共通して起こる現象なので、心配はいりません。
Insertキーの場所と、なぜ押してしまうのか
Insertキーは、キーボード右上の「Delete」キーの上または隣にあることが多く、Deleteを押そうとして誤って触れてしまうのがよくあるパターンです。
ノートパソコンでは、「Fn」キーとの組み合わせでInsertが割り当てられている機種もあります。たとえば「Fn+Enter」や「Fn+Delete」がInsertとして動作するものもあり、意識せずに押してしまうことが多いのです。
特にテンキー付きキーボードでは、キーが密集しているため、誤操作が起きやすくなります。
すぐできる!上書きモードの解除方法
カーソルが文字に重なってしまっても、直すのはとても簡単です。
以下の手順を順番に試してみてください。
切り替えは即時反映されるので、再起動などは不要です。
それでも直らないときのチェックポイント
Insertキーを押しても改善しない場合は、次のような原因も考えられます。
- 画面の拡大率が100%以外になっている
→ 拡大・縮小によってカーソル位置が微妙にずれて見えることがあります。
表示を100%に戻すと改善するケースも。 - 日本語入力システム(IME)の変換中表示
→ 変換候補を表示している間は、カーソルが文字と重なって見えることがあります。
入力確定後に戻るなら問題ありません。 - 一時的なアプリの不具合
→ ブラウザやエディタを一度閉じて再起動してみましょう。
誤操作が多い人は「Insertキーを無効化」するのもアリ
「Deleteキーの隣で、つい押してしまう…」という方は、Insertキーを無効化しておくのも一つの手です。
Windowsでは、レジストリの設定変更や専用ツールでInsertキーをオフにすることが可能です。一度設定すれば、誤って押しても上書きモードに切り替わらなくなるので安心です。ただし、設定変更に慣れていない方は慎重に行いましょう。
まとめ
カーソルが文字に重なったり、文字が消えるように感じたときは、まず「Insertキー」を一度押してみましょう。
それだけで直るケースがほとんどです。知ってしまえばほんの小さなことですが、知らないと焦ってしまう現象です。ちょっとした知識で、毎日の作業ストレスがぐっと減ります。次に同じことが起きたら、「あ、あれね!」と落ち着いて対応できますよ。


















→ これでモードが元の「挿入モード」に戻ります。カーソルも通常の細い線に。
→ 機種によってはInsertが単独で動かない場合があります。
- 正常(挿入モード):文字を打つと右の文字がずれる
- 上書きモード:文字を打つと前の文字が消える