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ひな祭りの原点「流し雛」とは?由来と意味をやさしく解説

ひな祭りが近づくころ、「流し雛(ながしびな)」という言葉を耳にすることがあります。
名前は知っていても、「実際にはどんな行事なの?」「ひな人形とは何が違うの?」と感じる人も多いかもしれません。

流し雛とは、自分の身にふりかかる厄や災いを人形に託し、水に流して清めるという、日本の古い風習です。現在のひな祭りにつながる行事の原型のひとつとされ、素朴ながらもやさしい願いが込められています。

流し雛の由来と意味

流し雛は、季節の変わり目に起こりやすい病気や不運を遠ざけるために行われてきた、厄払いの行事です。人々の暮らしの中で、自然と結びつきながら受け継がれてきました。

厄を人形に移すという考え方

流し雛の風習は、平安時代に行われていた行事が原型になったといわれています。当時の人々は、病気や不運などの「よくないもの(厄)」は、形あるものに託すことができると考えていました。

そこで、紙や草で作った簡単な人形に自分の厄を移し、川や海に流すことで、身を清めようとしたのが流し雛の始まりとされています。

なぜ「流す」の?

水は古くから、汚れを洗い流し、新しく整える象徴的な存在として考えられてきました。人形を水に流す行為には、「悪いものを手放し、心と体をあらためる」という意味が込められています。自然の力に身を委ねながら気持ちを切り替える、当時の人々の知恵といえるでしょう。

ひな人形との違い

現在のひな祭りでは、立派なひな人形を飾るのが一般的です。しかし、その背景には流し雛から続く文化の変化があります。

流す雛から、飾る雛へ

もともと雛は水に流すものでしたが、時代とともに人形は少しずつ豪華になっていきました。すると、「流してしまうのは惜しい」という思いが生まれ、家の中に飾って厄除けとする風習へと変わっていきます。

形は変わっても、願いは同じ

流し雛も、ひな人形も、根底にあるのは子どもの健康と幸せを願う気持ち。形は変わっても、その思いは今も変わらず受け継がれています。

現在も行われている流し雛

流し雛は、昔から続く素朴な風習ですが、今も全国のさまざまな地域で受け継がれています。主なところでは、東京(江戸流しびな)、岐阜県(飛騨生きびな祭)、京都(下鴨神社「京の流しびな」)、奈良県(平城京ひいな節)、和歌山(淡嶋神社「雛流し」)、岡山県(北木島の流し雛)、鳥取(用瀬の流しびな)、鹿児島県(仙巌園の流しびな)などでは毎年行事が開かれ、地域ごとに工夫された雛が川面をゆっくりと進みます。

近年は環境への配慮から、実際に川へ流すのではなく、後で回収する形式や、水に浮かべる儀式のみを行う形が主流になっているようです。

流し雛に込められた願い

流し雛には、次のような思いが込められています。

  • 病気や災いが遠ざかりますように
  • 子どもが元気に成長しますように
  • 新しい季節を気持ちよく迎えられますように

「悪いものを抱え込まず、そっと手放す」という考え方は、現代の私たちの暮らしにも通じるものがあります。

家庭でも楽しめる「流し雛」風の過ごし方

流し雛は、必ずしも川に流さなければならないものではありません。紙人形を作り、厄を託してから感謝の気持ちを込めて手放す、という形でも十分に意味があります。

処分方法は環境に配慮して

使用した人形は、自治体のルールに沿って処分するほか、「神社でお焚き上げや、納める」という方法を選ぶ人もいます。無理のない形で行うことが、現代の流し雛の楽しみ方といえるでしょう。

まとめ

流し雛は、「手放すことで願う」・・・厄を払い、未来の幸せを願うための、日本のやさしい行事です。華やかなひな人形の背景には、こうした素朴な祈りの文化が今も息づいているんですね。

ひな祭りの時期には、この伝統行事の意味や由来を知っておくだけで、ふだん見落としがちな「願い」や「感謝」に気づけるかもしれませんね。