結婚生活が始まると、ふと悩むのが「配偶者の呼び方」。日常会話はもちろん、職場で紹介したり、書類に記入したりと思ったより使う場面が多いものです。「妻」「夫」というオーソドックスな言い方から、「奥さん」「旦那さん」といった少しくだけた表現まで実にさまざま。本記事では、男性側・女性側の視点で代表的な呼び方を紹介し、それぞれの意味合いや使いどころをわかりやすく説明します。
男性側から見た「妻」の呼び方
・家内(かない)
「家の中にいる人」という語源を持つ表現で、昔ながらの古風で丁寧な言い方です。年配の方には馴染みがありますが、現代では「家庭に収まる女性」というイメージが気になる人も。保守的な印象を与えるため使いどころには注意が必要です。
・奥さん
本来は他人の妻に対する敬称ですが、「うちの奥さん」という形で親しみを込めて使う人も多くいます。カジュアルな場面では自然ですが、フォーマルな場や書面での使用にはやや不向きです。砕けた表現として理解しておくとよいでしょう。
・嫁(よめ)
もともと「息子の妻」を指す言葉ですが、近年では「自分の妻」として使う人も多くいます。ただし、言葉の本来の意味とは異なるため、場によっては違和感を持たれることも。くだけた会話の中で使う分には問題ないことが多いです。
・女房(にょうぼう)
歴史ある言葉で、江戸時代には広く使われていました。現代ではやや古風でユーモラスな印象があり、親しい間柄での軽い冗談のような場面に向いています。ビジネスや公的なシーンには適さない呼び方です。
女性側から見た「夫」の呼び方
・夫(おっと)
もっとも形式的で中立的な言い方で、公的な文書やビジネスの場など、改まったシーンでも安心して使えます。性別に依存せず、聞き手にも余計な印象を与えないため、無難で信頼感のある表現といえるでしょう。
・主人(しゅじん)
古くから使われてきた敬称で、「一家の主(あるじ)」という意味を持ちます。礼儀正しい印象がありますが、近年では性別役割に関する意識の高まりから、避ける人も増えています。世代や価値観によって受け取り方が分かれる表現です。
・旦那(だんな)
「うちの旦那」というように、日常的に使われるカジュアルな呼び方です。親しみやすく使いやすいですが、改まった場には不向きです。職場や公式な紹介の場では「夫」や「配偶者」など別の言い方に切り替えるのが望ましいでしょう。
・うちの人
特に関西地方で広く使われている表現で、性別を明示しない柔らかい言い回しです。夫婦間でお互いをこう呼ぶことで、自然な親しみや敬意を伝えられるのも特徴です。家庭的な雰囲気を感じさせる言葉です。
・パパ
子どもがいる家庭で日常的に使われる表現で、「パパ」「ママ」は家庭内限定の呼び名として根づいています。家庭内では自然でも、外で「パパ」と呼ぶのは幼く見えることもあるため、公の場では適切な言い換えを心がけましょう。
おわりに
配偶者の呼び方は、時代や文化、そして話し相手によって受け取られ方が大きく変わります。丁寧に伝えたい場では「妻」「夫」などを使い、くだけた場では「奥さん」「旦那」なども選択肢に入ります。最近では「パートナー」など性別にとらわれない言い方も増えてきましたが、大切なのは相手への敬意と場にふさわしい言葉選びです。自然で思いやりのある呼び方を心がけましょう。




















・妻(つま)
公的な場でも安心して使えるもっともスタンダードな呼び方です。役所の手続きやビジネスシーンでも自然で、相手に余計な印象を与えずに済む点が特徴です。言葉として中立で、近年では性別役割に偏らない表現として好まれる傾向もあります。