クリスマスの季節になると、子どもからの素朴な質問に、大人が「そういえば理由を知らないかも」と戸惑うことがあります。身近な行事であるほど、由来や背景を深く考える機会は少ないものです。今回は、大人も読んで「へぇ、そうだったのか」と納得でき、子どもにも優しく伝えられるクリスマス雑学を10個ご紹介します。歴史的背景や文化の成り立ちをほどよく深掘りしつつ、むずかしい専門用語は噛み砕いて説明しています。
この記事の目次
サンタクロースの服が赤いのはなぜ
サンタクロースの赤い服は、複数の歴史や文化が積み重なってできたものです。
まず、サンタのモデルとされる 聖ニコラウス は4世紀ごろの司教で、当時の司教服には赤や白がよく使われていました。赤は「神聖さ」「慈愛(人を思いやる心)」を表し、これがサンタ像の原型として後世に続いていきます。
その後、ヨーロッパ各地でサンタに似た存在が描かれ、服の色もさまざまでしたが、19世紀のアメリカで描かれた温かい雰囲気のサンタの絵が人気となり、その多くが赤い服で描かれたことが大きな転機になりました。この絵が雑誌や絵本を通して広まり、自然と「サンタ=赤」が定着していきました。
また、よく「ある企業の広告がサンタの服を赤にした」という話が語られることがありますが、実際には赤いサンタはその企業の広告よりも前から存在していました。
ただし、広告が世界で広く使われたことで、赤いサンタのイメージがさらに強くなったという側面はあります。
さらに、赤という色は「喜び」「温かさ」「お祝い」といったイメージを持つため、冬の行事であるクリスマスにもよく合い、人々が受け入れやすかったことも理由のひとつです。
子どもに説明するなら
と伝えるとわかりやすいです。
クリスマスツリーがモミの木なのはなぜ
モミの木は常緑樹とよばれ、季節が変わっても葉が落ちません。その“変わらず生きる姿”が、寒さの厳しいヨーロッパで特別な意味を持ちました。
「冬のあいだも生命は失われない」という希望の象徴として、祭りや祈りの場に使われ、これがクリスマスの文化と結びつきます。
さらに18〜19世紀のドイツで家庭用ツリーとして飾りつけが発達し、現在のような“オーナメントで飾るツリー”が世界に広まりました。
子どもに説明するなら

冬でも元気な木だから、みんなに力をくれる木として選ばれたんだよ
と教えるとイメージしやすいです。
プレゼント交換の起源は
クリスマスに贈り物をする習慣は、いくつかの文化が重なって生まれました。
ひとつは、サンタのモデルとなった 聖ニコラウスの伝承です。
彼は貧しい家庭を助けるために、夜中にこっそり金貨を渡したとされ、この“そっと思いやりを届ける行為”が贈り物文化の原点になりました。
また中世ヨーロッパでは、冬至のころに家族や近所へ小さな贈り物をする風習がありました。寒くて厳しい季節を支え合って過ごすため、気持ちを分け合う文化が大切にされていたのです。
これらの習慣がキリスト教の行事と結びつき、現在の「プレゼント交換」という形に発展しました。
子どもに説明するなら

大切な人に『ありがとう』や『だいすき』を伝えるためにプレゼントを渡すんだよ
と言うと気持ちが伝わりやすいです。
クリスマスカラーが赤・緑・白になったのは
クリスマスを象徴する赤・緑・白の3色には、それぞれ長い歴史と象徴的な意味があります。
まず 赤 は「愛情」「温かさ」「祝福」を表す色とされ、クリスマスによく使われるヒイラギの赤い実の色でもあります。キリスト教の文化では、赤は「人を思う心」を象徴する色として大切にされていました。
緑 は常緑樹の色で、厳しい冬の間でも枯れずに生き続けることから「永遠」「力強さ」「復活」の象徴として扱われてきました。クリスマスツリーにモミの木が使われる理由と同じで、古くから“命が続くことを願う色”として親しまれてきた背景があります。
白 は「純粋さ」「清らかさ」を表し、同時に雪を思わせる色でもあります。冬の景色と結びつくことで、凛とした静けさや新しい年への期待を感じさせる色としてクリスマスに使われるようになりました。
この3色は、それぞれ独自の意味を持ちながら“冬を越えて新しい光へ向かう”という共通のイメージを形作り、クリスマスが持つ「温かさ・生命力・希望」の雰囲気を自然と演出しています。
子どもに説明するなら

赤はあったかい気持ち、緑は元気がずっと続く色、白は雪やきれいな気持ちの色だよ
とイメージで伝えるとわかりやすいです。
なぜクリスマスはくつ下を飾るの
クリスマスにくつ下を飾る習慣は、聖ニコラウスの伝承が大きく関係しています。
ある家庭では、貧しさのため娘たちが結婚できずに困っていました。これを知ったニコラウスは身元を明かさずに助けたいと思い、夜にこっそり金貨を窓から投げ入れたといわれます。
ちょうどその家では、暖炉のそばにくつ下が干してあり、金貨がそのくつ下に入ったことで家族が救われたという話が残っています。
この物語が広まると、「くつ下は幸運が入ってくる場所」と考えられるようになりました。
19世紀のアメリカで発表された詩や絵本に“暖炉にかけられたくつ下にプレゼントが入る”シーンが描かれ、家庭で真似されるようになったことで、現在の習慣として世界中に広がりました。
やがて暖炉のない家が増えても、「くつ下にプレゼントが届く」という象徴的な意味は残り、飾りとしても扱いやすかったことから、クリスマスの定番になっていきました。
子どもに説明するなら

昔ね、困っている家族のくつ下に幸せが落ちてきたことがあって、そのまねをしてプレゼントが届く場所にしているんだよ
と伝えると、物語としてすんなり伝わります。
クリスマスリースが丸い理由は
クリスマスリースが丸い形なのには、古くからの象徴的な意味があります。
まず、輪=切れ目なく続く形は「永遠」「途切れない幸せ」を表すと考えられ、ヨーロッパでは幸福や繁栄の象徴として大切にされてきました。
また、リースに使われる常緑樹(モミやヒイラギなど)は、冬でも葉を落とさずに生き続けることから、生命力や希望の象徴として扱われていました。厳しい冬を越える人々にとって、「枯れない緑」は特別な意味を持っていたのです。
さらに、リースを玄関に飾る習慣には「幸運を家の中に招く」という願いも含まれています。家族が集まる年末の行事としてのクリスマスと相性がよく、季節の節目にふさわしい装飾として広まりました。
そのためリースは、
■ 幸せが続くように
■ 家族が守られるように
■ 来年もよい一年になるように
といった願いを象徴する、縁起の良い飾りとなっています。
子どもに説明するなら

丸い形はずっと続くって意味があって、家族がずっと幸せでいられますようにっていう願いがこめられているんだよ
と言うと、気持ちの部分まで伝わります。
トナカイが空を飛ぶようになったのは「物語の工夫」
トナカイは北欧でそりを引く大切な動物でした。サンタクロースの物語が広がる中で、“世界中の子どもに一晩でプレゼントを届ける”という夢を実現させるため、空を飛ぶ存在として描かれるようになりました。
特に1823年の詩『クリスマスの前の晩に』で空飛ぶトナカイが登場したことが、現在のイメージを決定づけています。
ここで少し面白い雑学をご紹介します。
アメリカの工学研究者 ラリー・シルバーバーグ氏 らは、「サンタが本当に配達するとしたらどれくらいの速さになるか?」を遊び心で計算したことがあります。
世界中の子どもたちの家を回り、プレゼントを置く時間を考えると、時速100万km以上で移動しないと間に合わないという結論が出たそうです。
もちろん現実にはありえない速度ですが、だからこそ“サンタとトナカイは特別な力を持っている”という物語の魅力を際立たせています。
子どもに説明するなら

サンタさんはたくさんの家に行くから、トナカイには魔法みたいなスピードがあるんだよ
と伝えると、夢を壊さずに楽しめます。
日本のクリスマスケーキ文化が広まった理由
日本でクリスマスにショートケーキを食べる習慣は、海外とは異なる日本独自のものです。戦後の日本では、生クリームやイチゴはまだぜいたく品であり、ショートケーキは“特別なごちそう”として扱われていました。
その後、冷蔵庫の普及や洋菓子店の増加、デパートの広告などの影響で、「クリスマス=ケーキ」というイメージが全国に広がっていきました。
海外ではシュトーレンやパネトーネなど、その国ごとの伝統菓子があるため、祝い方の違いもクリスマス文化の面白いところです。
子どもに説明するなら

日本ではクリスマスにケーキを食べるけど、国によってお祝いの食べ物がちがうんだよ
と伝えると興味が広がります。
サンタクロースは「住所を持つ存在」
フィンランド北部のラップランド地方には、実際に「サンタクロース村」とよばれる場所があります。ここにはサンタ専用の郵便局があり、毎年世界中から数十万通もの手紙が届きます。
郵便局では、時期によってサンタからの返信サービスも行われており、専用の消印が押された手紙が返ってくることもあります。まるで本当にサンタがそこに住んでいるかのような仕組みが作られているのです。
また、サンタクロース村は観光地としても人気で、サンタに会える施設やクリスマス雑貨のお店が一年中営業しています。北欧の雪景色と相まって“物語の世界に入り込んだような体験”ができることから、多くの家族や観光客が訪れます。
サンタというファンタジーの存在に「実在する住所」が与えられていることで、子どもたちにとっては夢がよりリアルになり、大人にとっても“文化としてのサンタ像”の面白さを感じられる場所になっています。
子どもに説明するなら

サンタさんに本当に手紙が届く場所があってね、返事がもらえることもあるんだよ
と話すと、夢がどんどんふくらみます。
「Xmas」のXはキリストを表す「ギリシャ文字」
Xはギリシャ語の「Χ(カイ)」という文字で、キリスト(Christ)を表す頭文字として使われていました。
古くから宗教文書でも使用されており、「略すから失礼」という意味ではなく、正式な表現です。
“X=消す印”と誤解されがちですが、実は歴史ある記号なのです。
子どもに説明するなら

Xはキリストの頭文字なんだよ
と短く説明すると誤解がありません。
まとめ
クリスマスにまつわる文化は、長い歴史と人々の願いが重なり合って形づくられています。こうした背景を知ると、いつものイベントがより奥深く、温かい意味を持つものとして感じられます。子どもに伝える際は、由来をすべて説明する必要はなく「どんな気持ちから始まったのか」を一言で伝えると理解が進みます。
子どもに説明するなら

クリスマスは、みんなが幸せになりますようにっていう願いが詰まった日なんだよ
とまとめてあげると心に残りやすいでしょう。























サンタさんの元になった人が赤い服を着ていて、いろんな絵に赤いサンタさんが描かれたから、赤がサンタさんの色になったんだよ