2025年7月20日に行われた参議院選挙のあと、ニュースやワイドショーでは「右派(うは)」や「左派(さは)」という言葉をよく耳にするようになりました。
でも、「右」と「左」って、いったい何を基準にそう呼ばれているのでしょう?
「右派って保守?」「左派ってリベラル?」なんとなく聞いたことはあっても、はっきり説明するのは意外とむずかしいですよね。
「どっちが正しいの?」「なぜ分かれるの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
そこで今回は、この「右派・左派」という言葉の由来や基本的な考え方の違いを、子どもにも説明できるようなやさしい言葉でご紹介します。
※この記事は子ども向けに分かりやすさを重視して内容を簡略化しています。
この記事の目次
右派・左派の由来はフランス革命から
「右派(うは)」と「左派(さは)」という言葉のはじまりは、18世紀のフランス革命(1789年~)にさかのぼります。
当時のフランスは、王様が大きな力を持つ「絶対王政」という政治体制でしたが、貧富の差や重税に苦しむ国民の怒りが高まりついに革命が起きました。
その中で開かれたのが、「国民議会」と呼ばれる新しい政治の話し合いの場です。
この議会では、さまざまな立場の人々が集まり、フランスの未来について激しい議論が交わされました。
一方、左側に座ったのは、商人や労働者など、より多くの国民の自由や平等を求める人たちです。
彼らは「社会を変えたい」「古い仕組みを見直して、より公平な社会にしたい」と考えていました。
このように、座った位置によって自然に「右派=保守」「左派=改革」というイメージが生まれました。
この座り方の習慣は、のちの政治用語にも引き継がれ、現在の日本や世界各国の政治でも、立場の違いを表すときに「右派・左派」という言葉が使われるようになったのです。つまり、「右派・左派」というのは、もともと議会の座席の位置から生まれた言葉なんですね。
※フランス革命が起源といわれていますが、詳しい経緯には諸説あります。
「右派」と「左派」の基本的な考え方
政治における右派・左派は、社会の仕組みや国の関わり方に対する考え方の違いを表します。
● 右派(うは)とは?
右派の人たちは、今のルールや仕組み、伝統を大事にしたいと考える傾向があります。
例えば:
- 国の文化や歴史を守ることが大切
- 自衛や安全保障を強化すべき
- 国よりも個人の努力や自立を重視
● 左派(さは)とは?
左派の人たちは、社会をより公平に変えていきたいという考え方が強いです。
例えば:
- お金持ちと貧しい人の差を小さくしたい
- 弱い立場の人を積極的に支えたい
- 国がもっと社会に関わってサポートすべき
右派と左派は「守る人」と「変える人」
子どもに説明するなら、こんなたとえが分かりやすいです。
例えば、学校の「制服を着るルール」があった場合
- 右派の人:「制服は学校の伝統だし、みんな同じ格好をすることで団結力も高まる。だから今のままでいい」
- 左派の人:「個性を大事にしたいし、季節や体調に合わせて服を選べるようにした方がいいかも」
このように、
- 右派は「きまりを守って秩序を大事にしよう」
- 左派は「必要があればきまりを見直して変えよう」
というスタンスになります。
どちらが良い・悪いということではなく、立場や考え方の違いによって見方や意見が変わるのです。
現実の政治では混ざっていることも多い
実際の政治では、完全に右派・左派ときっぱり分かれているわけではありません。
ある政党は経済政策では右派的でも、福祉では左派的な考えを持っていたり、ある政治家も、テーマによって立場が変わることがあります。
ですから、「この人は右派だからこうだ!」「左派だからこうだ!」と決めつけず、「なぜそういう主張をしているのか?」を考えることが大切です。
おわりに ~考え方のちがいを知ると、ニュースがもっと楽しくなる~
「右派」「左派」という言葉は、社会をどう見て、どう変える(あるいは守る)べきかという考え方の違いを表しています。その由来や考え方を知ることで、政治のニュースがぐっとわかりやすくなります。
子どもに説明する場面では、「守る人」と「変えたい人」といったイメージを使えば、より伝わりやすくなります。
考え方の違いを知ることは、他人を理解する第一歩。大人も子どもも、社会を見る目がぐんと広がるきっかけになればいいですね。






















議長席から見て右側に座ったのは、貴族や聖職者など、これまでの王政や伝統的な身分制度を守ろうとする人たちでした。
彼らは「変化よりも安定」「秩序や伝統を重んじる」ことを重視していました。