子どもに「オリンピックって、どうして4年に1回なの?」と聞かれて、意外と答えに困ったことはありませんか。
オリンピックは世界的にも身近なイベントですが、「なぜ4年に1度なのか」という理由まで知っている大人は、実はそれほど多くありません。
この記事では、「オリンピックはなぜ4年に1度開催されるのか」を、大人が理解し子供にも説明できるよう、背景や歴史も含めて分かりやすく解説していきます。
この記事の目次
オリンピックが4年に1度とされた最初の理由
オリンピックの起源は、今から約2800年前の古代ギリシャにまでさかのぼります。当時行われていた「古代オリンピック」は、すでに4年に1度の周期で開催されていました。
この周期が生まれた背景には、当時使われていた暦があります。古代ギリシャでは、月の満ち欠けを基準にした「太陰暦」が使われていました。太陰暦は、現在私たちが使っている太陽暦と比べると、年の長さにずれが生じやすい暦です。
そのため、
■ 一定の年数ごとに暦を調整する必要があった
■ 8年という周期が特別な意味を持っていた
という事情がありました。
この8年の区切りをさらに分けた4年という周期が、祭典や競技大会の開催間隔として定着し、オリンピックも4年に1度行われるようになったと考えられています。
古代オリンピックとその終わり
古代オリンピックは、ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスが始めたという伝説もあり、紀元前776年の大会が最も古い記録として残っています。
この大会は、宗教的な祭りとしての意味合いも強く、競技は神々にささげる行事の一つでした。
しかし、ローマ帝国の支配が広がる中で、異教の祭典と見なされるようになり、4世紀末には廃止されてしまいます。こうして、1000年以上続いた古代オリンピックは一度歴史の表舞台から姿を消しました。
近代オリンピックで4年周期が引き継がれた理由
古代オリンピックが終わってから約1500年後、オリンピック復活を提唱したのが、フランスの教育者であるピエール・ド・クーベルタンです。
1894年にパリで開かれた国際会議で、
■ オリンピックを近代的な国際大会として復活させること
■ 開催は4年に1度とすること
が正式に決定されました。
このとき、単に運営上の都合だけでなく、「古代オリンピックの伝統を尊重する」という考え方が重視されました。その結果、古代から続いてきた4年周期が、近代オリンピックにもそのまま引き継がれたのです。
近代オリンピック年表一覧
| 年 | 開催地 | 主な出来事・特徴 |
|---|---|---|
| 1896年 | アテネ(ギリシャ) | 第1回近代オリンピック。参加国14、男子選手のみ |
| 1900年 | パリ(フランス) | 女性選手が初めて参加。万国博覧会と同時開催 |
| 1904年 | セントルイス(アメリカ) | 参加国が少なく、アメリカ中心の大会 |
| 1908年 | ロンドン(イギリス) | 運営体制が整い、国際大会として安定 |
| 1912年 | ストックホルム(スウェーデン) | 近代的な大会運営が確立 |
| 1916年 | ベルリン(ドイツ) | 第一次世界大戦により中止 |
| 1920年 | アントワープ(ベルギー) | 戦後初開催。五輪旗が初登場 |
| 1924年 | パリ(フランス) | 大会運営が評価され、五輪の人気が高まる |
| 1928年 | アムステルダム(オランダ) | 聖火台が初めて設置される |
| 1932年 | ロサンゼルス(アメリカ) | 世界恐慌の影響で参加国が減少 |
| 1936年 | ベルリン(ドイツ) | 政治色の強い大会として知られる |
| 1940年 | 東京(日本) | 第二次世界大戦により中止 |
| 1944年 | ロンドン(イギリス) | 第二次世界大戦により中止 |
| 1948年 | ロンドン(イギリス) | 戦後初開催。「復興のオリンピック」 |
| 1952年 | ヘルシンキ(フィンランド) | 日本が戦後初めて参加 |
| 1956年 | メルボルン(オーストラリア) | 南半球で初開催 |
| 1960年 | ローマ(イタリア) | テレビ中継が本格化 |
| 1964年 | 東京(日本) | アジア初開催。日本の国際社会復帰を象徴 |
| 1968年 | メキシコシティ(メキシコ) | 高地開催が大きな話題に |
| 1972年 | ミュンヘン(西ドイツ) | 大会中にテロ事件が発生 |
| 1976年 | モントリオール(カナダ) | 大会後の巨額赤字が問題に |
| 1980年 | モスクワ(ソ連) | 西側諸国がボイコット |
| 1984年 | ロサンゼルス(アメリカ) | 商業化に成功した大会 |
| 1988年 | ソウル(韓国) | 冷戦下での東西融和を象徴 |
| 1992年 | バルセロナ(スペイン) | 都市再開発の成功例 |
| 1996年 | アトランタ(アメリカ) | 近代オリンピック100周年 |
| 2000年 | シドニー(オーストラリア) | 環境に配慮した大会運営 |
| 2004年 | アテネ(ギリシャ) | 五輪発祥の地での開催 |
| 2008年 | 北京(中国) | 大規模な演出が世界的に注目 |
| 2012年 | ロンドン(イギリス) | 史上初の3回目開催 |
| 2016年 | リオデジャネイロ(ブラジル) | 南米で初開催 |
| 2021年 | 東京(日本) | 新型コロナの影響で無観客開催 |
| 2024年 | パリ(フランス) | 100年ぶりの開催 |
現代でも4年に1度が続いている現実的な理由
現在のオリンピックは、国際オリンピック委員会が中心となって運営されています。4年に1度という開催間隔は、現代においても非常に合理的だと考えられています。
理由としては、
■ 選手が世界最高レベルに成長するために必要な時間
■ 開催国が競技施設やインフラを整えるための準備期間
■ 世界中の競技団体や放送、運営を調整するための余裕
といった点が挙げられます。
まとめ
オリンピックが4年に1度開催される理由は、
■ 古代ギリシャの暦と祭典文化に由来していること
■ 古代オリンピックの伝統を近代でも大切にしたこと
■ 現代においても準備や成長の時間として理にかなっていること
が重なった結果です。
「なんとなく4年に1度」と思われがちなオリンピックですが、その背景には長い歴史と現実的な理由があります。
大人がこの流れを理解しておくことで、子どもの素朴な疑問にも、落ち着いて向き合えるようになるはずです。



























